…というわけで、今月も「木」曜日に更新します5周年企画の「日本木扁紀行」。
まぁ、最終週に更新とはいいながら、実は1週めからでも更新できるくらいの用意はあったのですが…なんたって、今回はシリーズ始まって初めて、記事に合わせての現地訪問をやっていないから!理由は…単に予算不足なだけなのですが、以前に2度ほど現地を訪れているので、その時の写真でやってしまおうじゃないか、というお話です。
てなわけで、前回は現地訪問した富山県の「木扁の駅」をご紹介いたしましたが、今回紹介いたします「木扁の駅」は…?
第9回:JR北海道「楓駅」
北海道夕張市楓にあった、JR北海道石勝線の駅。地名にも「楓」とついていることから、歴史ある名前なのだろう…近くに「楓生活館」という施設もある。
…ちなみに、夕張市の木はサクラのようだ。残念。
(左:楓駅入口、右:楓駅ホーム上)
上の段落を注意深く読まれた方ならもうお気づきかもしれないが、この楓駅は「夕張市楓にあった」駅…今はもうない。今は「楓信号場」と格下げになり、営業はされていない。
…2004年3月12日限りで廃止になったのだが、僕はその直前の2004年2月とその1年半後の2005年8月に行っている。今回はこの2回の写真で…まずは廃止間際の04年2月。
(左:楓駅時刻表、右:楓駅にあった駅ノート)
廃止間際の楓駅には、時刻表からわかるとおり1日1本しか列車が来なかった…しかも、日祝日は運休というダイヤ。さらにその列車は、西隣の新夕張から1駅分やってきて、8分で折り返してまた新夕張まで1駅戻る。だから、この列車の到着ホームの駅名標には、上の写真のように、列車が向かう「新夕張」しか書かれていない。
だが、この「楓駅」は、れっきとした石勝線の途中駅…東隣は28.6km離れた占冠駅。なのに、楓駅を出発して占冠駅に向かう列車は1本もなかった…楓駅を通過して占冠方面へ行く列車ならたくさんあったのだが。「1日1本」「西行きのみ」「終電は朝7時」「日祝運休」…訪問客を拒むようなマニアックな駅だけあって、写真のように駅ノートも置かれていた。
僕が、この「楓駅」を知ったのは、たぶん何かの本で読んだとき。それ以来「行ってみたい」と思っていたのだが、廃止のニュースを聞いて、慌てて友人と訪れた。列車の時間が時間だけに、今はなき夜行の「まりも」を駆使しつつ、頭をひねってプランを考えたのを思い出す…。厳しい冬ながら、廃止間際で訪れてる人が結構多かった。
そして廃止の時を迎え、さらに1年半経った晩夏の日。
(左:駅舎のあった辺り、右:列車が出発してたホームの辺り)
2005年8月中旬〜下旬にかけて、「北海道乗り潰し旅行」に出かけていたのだが、そこにぶち込んでいた目的の一つが、「楓信号場訪問」。廃止間際に向かった楓駅が、1年半の時を越えどうなっているかを見てみたかった。もはやとまる列車はないし、隣の新夕張でも5.7km離れている…結局、新夕張からバスで訪れた。
(左:折り返し線ホーム、右:本線ホーム)
楓駅は、変則的な3面3線の構造。占冠方面にも抜ける下り線と上り線が対向式ホームになっているほか、下り線ホームに接するように短い折り返し線とホームが設けられていた…これが1日1本の列車が発着していたホーム。信号場に格下げになってからも、駅舎は撤去されど、このホーム構造は変わらないようで、この折り返し線も保線用の基地になっているようだ。
(左:本線ホーム、右:楓駅全景)
廃止間際に訪れた時は、1日1本の列車で来て、その折り返しの初発兼終電に乗って戻ったために、楓駅を満喫する時間もあまりなかった…人も多かったし。その点、バスで来たこの時は、折り返しのバスで帰る予定とはいえ、余裕はたっぷりあり、楓信号場をゆっくりと眺められた。近くには、信号場を跨ぐ橋への道もあり、上から眺めることもできた。
先ほども書いたが、廃止約1年半のこの時期で、既に駅舎は取り壊されていて、跡は更地になっていた。駅名標も撤去されていて、「廃駅」という様相がありありと出ていたが、ホームはそのままで残っていた。ただし、駅への入口からホームに上がるところにバリケードやら柵やらがあって、基本的に入れないようになっていた。
(左:駅はなくなれどバス停は「楓駅前」、右:こんなバスでやってくる)
2度めの訪問からももう4年も経っているが、このときから基本的に大きく変わってはいないだろう。単線の石勝線で、高速で駆け抜ける特急列車が行き違うためには、信号場の役割は非常に大きい…駅じゃなくなっても、この「楓」は存在し続けているに違いない。
…今回は、予算の問題で再訪を断念したが、また行くのもありかもしれない、そう思った。
今回は「廃駅」ながらも、北海道の「木扁の駅」を取り上げてみました…「日本」という名前にももう遜色ないですね。
さて、そんな5周年企画「日本木扁紀行」ですが。次回は…いよいよ涙のクライマックスへ。

